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2022

3/22

重力、恐るべし! 舌編②


 

皆様こんにちは。

今年は花粉症の方はキツイですね。私は24才の時に花粉症になり、子供を産んでからは花粉症がほぼなくなり喜んでいたのですが、今年はまた復活。治ったわけでは無かったようです。また花粉の時期が憂鬱になりそうです。

さて、3/20に東京は桜の開花宣言を受け、3/22からは蔓延防止等重点措置の解除となりました。ウクライナ情勢は気を許せずモヤモヤした毎日を送っています。
4月からの新スタートに向けて、色々な事が良い方向へ向かって行くことをただただ願うばかりです。

今日は、ガラリと【重力】のイメージを上げていこうと思います。どうぞ最後までお付き合い下さい。

物事は良いことばかり。とか、悪いことばかり。なんて事はありませんよね。
【重力】も同じように、悪いことばかりではなく、むしろなくてはならない重要なものなのですが、日常生活で常に意識をしている人は少ないはずです。
では、今日はこの【重力】と【歯並び】との関わりについて考えていきましょう。

歯並びが良くなるためには、乳歯(子供の歯)から永久歯(大人の歯)に生え変わっていく際、それに伴う顎の骨の成長がなくてはなりません。子供の歯に比べて、明らかに大きな大人の歯が生えてくるのですから、大人の歯が並べるだけの大きさの顎へ成長させなくてはならないわけです。

どのようにしたら顎の骨は成長していくのでしょう。
これは、顎の骨だけが特別なのではなく、骨全般に言える事ですが、骨の成長を促すには、
①骨が成長する時期 に
②【重力】をかけてあげる。
これが大事なのです。

では、その骨が成長するのは一体いつなのか?

それは、姿勢編②でも触れましたが、上顎と下顎では実は成長のピーク年齢に違いがあります。
上顎は4才頃~11才頃まで活発に成長し、下顎は思春期成長の時に著しく成長します。と言うことは、
①4才頃~身長が止まるまで。
の期間は骨の成長のゴールデンタイムという事になりそうです。そして、【重力】をかけてあげる。とは【良く運動する。】という事で、身長を伸ばしたいなら跳び跳ねる運動が最も効果的で、走ったりジャンプする事で、立って歩く以上の重力が骨にかかり、骨の成長を促すのです。
では顎の骨に【重力】をかけるにはどうすれば良いのでしょうか…?
そうです!
②よく物を噛んであげれば良いのです。
そして、柔らかい物よりも硬い物の方がより負荷をかけることが出来そう!と想像も出来ますね。巷で良く聞く【歯並びを良くするには、硬い物を沢山食べさせなさい!】はどうやらあながち間違ってはいない様です。

このように骨が成長していく為には、【重力】が欠かせません。無重力の宇宙ステーションでの任務を終え帰還した飛行士さんは、骨の強度が著しく低下するため、帰還直後はまともに歩くことは困難で、暫く療養が必要な事は皆様もご存知だと思いますが、要は【重力】があることで骨や筋肉は保たれているわけです。
勿論、【重力】だけではなく、カルシウム摂取量、ビタミンD、日光、成長ホルモン…その他様々な事も関わってきますが、簡単に言い換えれば、早寝早起き規則正しい生活、偏りの無い食生活、適度な運動。と、子供が育つために昔から言われてきている事が大切なのです。

では、子供に毎日スルメを食べさせれば歯並びは良くなるのでしょうか?理屈はそうだとしても、なかなかそんなお家、今はないですよね?それよりも、柔らかい食材(私達の食卓には柔らかい食材が溢れ、かえって硬い食材を見つける方が大変です。)でも、【噛む回数】を増やす事なら今日から出来るはずです。これで十分補えていると考えています。昔と今の生活は同じではありません。ならば、今の生活で続けていけることを実践していった方が良いのでは?と考えるわけです。

『良く噛む』= 一口入れたら30回噛みましょう!
30回噛むとどうなるか?
その噛んだ回数分、舌と頬っぺたの筋肉が動きます。お口の中で舌の筋肉が大忙しに動く!この舌の動く力と顎に加わる【重力】で、成長期には顎が大きく成長していくのです。【噛む回数】ってとっても大切なんですね。


『良い歯並び』は、舌圧(外側から加わる力)と頬や口唇の圧(内側から加わる力)の両者の筋圧が均衡している領域(歯科ではここを筋圧中立帯=ニュートラルゾーンと呼んでいます。)に並びます。

歯並びが気になり始める時期は色々ですが、
①乳歯列完成期:2才半頃
②下の前歯が生え変わり大人の歯が出てくる時期:6才頃
③上の前歯が大人の歯に生え変わった頃:7~8才頃
④上に八重歯が生えてきた:10才頃
⑤気にはしていたけど、全部大人の歯になった:12才以降
等に分かれます。
歯並びを治す時期は、ご家族や本人が歯並びを気にした時、また歯並びを治したいな。そう思った時が最適な時期だと考えます。ですので、先生や人に言われてはいそうですか。と言って治すものではないのです。なぜなら、まだまだ日本の矯正は、高額、痛み、治療期間も年単位と〝三重苦〟だからです。本人にやる気、またはご家族の協力なくしては成り立ちません。
一方アメリカは、小さな頃から皆が歯並びを気にしています。保険もききますので、虫歯の治療と同じ感覚です。そして、7才になると歯並びが良くても悪くても、一度、矯正専門の歯科医院に受診して診て貰うのだそうです。実は私もこの考え方に賛成しています。

『歯並び』は、必ず原因があって悪くなります。その原因が何なのか?を探っていくことで改善の糸口が見えてきます。
『予防』とは、事が悪くならないうちに防いでいくことです。歯並びも同じように、なるべく悪くならないように軌道修正していくことが大切なのだと私は考えています。
保険のきかない治療だからこそ、予防に力を入れるべきなのです!
熱く語ってしまいましたが、今日でブログも4回目となりました。今までお話をしてきました事は何だかとっても『普通のこと』ではありませんでしたか?
『姿勢を良くしましょう!』
『歩き方は足を引きずらずにかかとから歩きましょう!』
『ポカン口してませんか?』
『鼻で呼吸していますか?』
『ご飯は良く噛んで食べましょう!』
『規則正しい日常生活を送りましょう!』
この一見普通のことが実は一番大変だったりするわけです。
子育ては兎に角やることが多くて猫の手も借りたいくらいです。でもその中で、『ごく当たり前』『普通のこと』を大人が子供に見せていくことが大切なことの様に思うのです。子供は大人を良く見ています。見て学んでいます。ですから、この子供が成長するまでは、どうぞ大人は一緒に関わって頂けると良いなぁと思っています。

【お口は健康の入り口】です。先ずは口から健康な状態にして、それが身体全体の健康へと繋がっていくようなお手伝いが出来たら、本当に嬉しい事だといつも思っています。

次回は、【表情筋】について触れていこうと思っています。最後までお付き合い頂き有難うございました。

副院長 矯正認定医 清水直子