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2022

9/30

MFT (Myofunctional Therapy)筋機能療法


 

皆様こんにちは。

『暑さ 寒さも 彼岸まで』

朝夕涼しくなり、大分過ごしやすくなって来ました。
気付けば蝉の声から虫の声。

梅雨入り梅雨明け、衣替え…季節の変わり目も年々曖昧になって来てしまうのでしょうか。

さて、今日は【MFT】(Myofunctional Therapy マイオファンクショナル セラピー 筋機能療法)についてお話致します。
当医院では、月に一度(第3木曜日)MFTを集中的に行っております。(2022,9月現在。変わる場合はまたHPでお知らせ致します。)

この聞きなれない【MFT】。一体何をどうするものなのでしょうか?

誕生したばかりの赤ちゃんは、身体も思うように動かせません。上手く物も掴めませんし、歩くことも出来ません。言葉も話せませんし、自分で用もたせません。この様な状況下で生きていくために、赤ちゃんには原始反射と言うものがあります。
赤ちゃんの発達は物凄いスピードで行われており、1才になる頃には、つかまり立ち、二足歩行が出来るようになるのです。

幼稚園や保育園に通う3~4才にもなれば、自分で絵を描いたり、お箸やスプーンを使って一人でご飯も食べれるようになります。挨拶やお話も出来るようになり、小さな社会生活を送る様になるわけです。

この様な事は、生活の中で子供が『見て真似る』事が多かったり、または一緒に『これはこうしようか』『これはこんな風に使うのよ』と言いながら一緒にやって見せる事が多かったりします。そして大抵の事は、外側から見えますので、やり方が間違っていたら直す事も教えてあげる事も出来るのです。
そうやってどんどん成長していくのですが、【口の中】で起きていることは、外側から見えないため分かりづらく、気付く事も難しいのです。

お口の機能は
①摂食(飲食)嚥下(飲み込むこと)
②発声、構音
③表情を作る です。

人が社会生活を送る上で、とても大切な機能です。で、あるはずなのに、外側から見えないため、その発達が順調なのかどうかの評価がとても難しいのです。
ですが、こんな所にSOSサインが出ているのです。

セルフチェックしてみて下さい。
□赤ちゃんの時から母乳ないしはミルクが上手く飲めなかった。
□舌足らずの話し方。
□聞き取りづらい言葉がある。
□食が細い。
□クチャクチャ音を立てながら食事をする。
□食べこぼしが多い。
□ゲップが多い。
□良く噛まず、食事が早い。
□食事中に良く飲み物を飲む。
□足をブラブラさせながら食事をする。
□肘をついて食事をする。
□犬食い(食器の方に自分の口をもっていって食べる)をしてい
る。
□姿勢が悪い。
□口をポカンと開けている。
□唇を噛んだりなめたりしている。
□歯並びが悪い。
等、沢山のチェックがついた方は是非歯科医院にご相談下さい。
1つだけチェックがついた…と言う方はいなかったと思います。必ず関連して複数のチェックが付いたのでは…?

実は、これらの項目全て【舌】の運動に関係しています。
【舌の運動】【舌の位置】は誰も教えてはくれません。なのに小さな時から自然に身についていくものと考えられてきました。その“自然に!”は、日々の生活の中で家族の誰かが見つけ、正していくことで何とかなっていました。多くの時間、子育てに関わる母親がその役目を果たしていたわけです。しかし、時代も変わり、小さなお子さんを持つ母親も、働く割合が増え、0才児から保育園に入れる人も多くなったわけです。こうなると、中々これらのSOSサインを見落とす可能性が出て来てしまうのです。

言語の獲得臨界期:5才
上顎の成長のスパート:4~11才
顎関節、下顎頭の形態完成:12才

大切な器官の完成が12才迄にはほぼ終わってしまうのです。

【舌】は100%筋肉です。
上手く動かないのは使っていないから。
運動をさせ、トレーニングすれば自由自在に自分の思うように動かせるようになるのです。この【舌のトレーニング】こそが【MFT】なのです。
私がこの【MFT】に出会ったのは、矯正の医局に入った頃でした。その頃の私は歯医者でありながら、自分の口の中の事を全く分かっていなかったんです。思えば小さな頃から滑舌が悪く、舌の紐(舌小帯)も短く、クチャクチャ音を立てながら食事を取り親に注意をされてきました。歯並びも兄妹の中で一番悪く、虫歯も多かったのが私でした。こんな私が幸か不幸か歯医者になり、しかも、矯正医となった時に、身を持って感じたのは【舌の役割】の大切さでした。【MFT】と出会い、トレーニングを受け、現在も尚、【舌の運動】はやるようにしています。舌の紐も伸びたように思いますが、舌小帯を切る経験もしてみる必要があるかな?とも最近考えています。

毎日、顔を洗い、食事をして歯磨きをし、お風呂に入る様に、【MFT】もそれら同様、自然に行われている一連の事になって貰えることを期待します。

【MFT】は全8回のコースで行っています。
初回は、検査、問診、テキストの導入部で6,000円(税抜き)かかります。以降、毎回3.000円(税抜き)となります。8回以降は、人によっては、3ヶ月毎のリコールに入る人もいます。

歯並びは、3つの筋肉の力の中立帯に並びます。
①口輪筋
②頬筋
③舌筋

①は、口を適度な力を持って閉じること。
②は、良く奥歯で物を噛むこと。
③は、トレーニングして、きちんとした位置と運動を獲得する。

【舌】の状態は外からは一切見えないし分かりません。その見えない【舌】の状態を運動、トレーニングを通じて良い状態にしていくのが【MFT】です。

興味がある方や、チェックが沢山付いた方は是非一度ご相談下さい。

副院長 矯正認定医 清水直子